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飲食業の先輩方に多くを学びました

15 2月 2011

土日は3時から営業している当店には、土日が定休日の飲食店の方々がよく訪ねてこられます。
先日の日曜日も同業者の方々が3組ほど来店されました。しかも連休とあってか、遠方から
はるばる足を運ばれた方も。

お一人は九州から。福岡で7年ほど前から「缶詰バー」を経営されている方で、年齢は私の1つ下。
脱サラで店を始めたところまで一緒です。店は昭和レトロな雰囲気で、全国から集めた500種類もの
缶詰とカップ酒がウリだそうです。東京には全国の自治体が運営するアンテナショップがたくさん
あるので、変わり種の地場缶詰を探すのには好都合だとか。この日も缶詰やカップ酒をたくさん
仕入れた帰りに当店に寄ってくださいました。

今でこそ昭和レトロを売り物にする店はたくさんありますが、開店当時はまだ珍しく「半年ほどは
お客がほとんどなく、店で読書ばかりしてたましたね」と笑っていました。それでも福岡の天神と
いう飲食の激戦地で7年も店を続けてこれたのは、苦しくても店のコンセプトを曲げずに愚直に
日々の努力を続けてきたからだとか。年齢や開店の経緯が我が身に近いこともあって、うなづく
ことが多い話でした。

もうお一人は広島から。和食中心の居酒屋を2店経営されている一見コワモテ風の(失礼)オーナー
さんです。私が以前編集長をしていた飲食店経営雑誌の熱心な読者で、毎週ネットで書いていた
コラムも愛読されていたとか。知り合いの酒販店の方から「元編集長の店」と聞いて来店されたと
おっしゃるので、一気に緊張がピークに。「書いてることとやってることが全然違う!」と怒られるん
じゃないかとビクビクでした。

実際は外観に似つかず(失礼)優しい方で安心しましたが、飲食に対する思いは人一倍強く、お客様を
とことん大事にする気持ちや、徹底して店を清潔に保つ必要性などを熱く語られ、身が引き締まる
思いでした。特に印象に残った話を1つ。

ある常連さんが大切な家族の記念日にどうしてもその店でお祝いをしたいと電話をかけてきたの
ですが、あいにくその日は予約で超満席状態。泣く泣く断ったそうです。ところが、1組の予約客が
連絡もなしにドタキャンしたのです。ぽっかりと空いた席を見て、「あのお客様に入っていただけた
じゃないか!」と頭に血が上ったオーナーはドタキャンした相手にすぐに電話をかけ、「あなたの
行動は店だけでなく多くのお客様にも迷惑をかけるんだ」と滔々と諭したそうです。

当店でも何回かドタキャンの経験があり、その時の気持ちを思い出しました。「世間的に飲食業は
まだ水商売と呼ばれて見下す風潮があるのが残念」と悔しそうに語るオーナーの切実な思いが身に
迫りました。

もう1組の方々は、東京・北千住で酒徒なら誰しも店名を聞くと「ああ、あの店ね」と思い当たる
老舗店の大将と若大将、孫娘夫婦といったグループ。煮込みで有名な店と言えば思い当たる方も多い
でしょう。齢80を超す大将は、ただ座っているだけで漂う風格が違います。「お店は何年になるん
ですか?」という私の寝ぼけた質問に、「130年」と平然と答える姿に神々しささえ感じました。

開店から1年も経たずおむつを外せない我々はただこうべを垂れるばかり。先客との入れ替えが
うまくいかずにお待たせしたり、狭い補助席にお座りいただいたりといった失礼の数々もあって
冷や汗三斗の思いでしたが、最後まで優しいまなざしを注いでくださったのが救いでした。

そう。本当の大人物とは決していばったりせず、どんな人間にも謙虚であるもの。そんなことを
再認識させられました。

「アル添」は悪なのでしょうか?

7 2月 2011

最近急に春めいてきたとはいえ、店ではお燗を頼まれる方がたくさんいます。少し熟成させた
純米酒をあっためて飲むと何ともいえず幸せな気分になります。そういう境地にはまって
逃れられなくなってしまったのか、最初から最後まで純米酒で通すお客様も少なくありません。

あるお店でこういうお客の話も聞きました。入店するなり「俺は純米酒しか飲まないんだけど、
純米酒は置いてる?」と聞いて、無いと知るなり踵を返して帰ってしまったそうです。そういう
“純米原理主義者”と呼べそうな人がいるのも確かで、昨日はそういう話からお客様と「アル添」に
ついて議論になりました。

大阪から上京する度に店に寄ってくださる若いお客様は「僕は吟醸でも本醸造でもこだわらず色んな
お酒を飲んでみたいので、アルコール添加にはこだわりませんよ」と言い、別の年配のお客様は
「アル添してる酒は何か悪酔いしそうなので、できるだけ純米酒を頼むようにしてるよ」と言います。
近所のワインバーの経営者は「日本酒のアルコール添加は酒質を高める目的もあり、ワインには無い
誇るべき技術」とアル添をむしろ支持する意見を述べました。

私自身はアル添であろうとなかろうと美味しいお酒だったら飲みたいと思う質なので、それほど
こだわりません。地方の居酒屋で普通酒しか置いてなくてもそれはそれで楽しめる単なる
飲ん兵衛です。日本酒へのアルコール添加は、戦時中に酒税をきっちり徴収するために腐造を防ぎ
石高を増やす特効策として広がったといいますが、実際のところそうした戦時体制の遺物である
「三増酒(アルコールで量を3倍に膨らませたような酒)」などは今ではほとんど見かけなく
なっています。

出来のいい吟醸酒や本醸造酒は、香りを高めキレを生み出すためにほんの少しアルコールを加える
だけで、どぼどぼとアルコールを加えるイメージとはほど遠いものです。「アル添酒は悪酔いする」
という話は昔に質の悪い安酒を飲んで痛い目に遭ったトラウマか、「ワインには酸化防止剤が入って
いるから悪酔いする」といった類いの間違った常識の1つだと思っています。

当店にあるお酒は8割方が純米酒なのも確かですが、美味しい吟醸酒や本醸造酒なども置いて
いますので是非お試しを。日本酒の世界の奥行きの深さを感じていただけると思います。

街の誇りと思われる店が目標です

25 1月 2011

2011年が幕を開けてはや一月近く。年末から年初にかけて雑誌やテレビで紹介された影響もあってか
多くのお客様にご来店いただき、おかげさまで順調なスタートを切ることができました。この場を
借りて感謝申し上げます。

雑誌の取材記者をしていた頃、延べ1000人以上の経営者にお会いして話を聞く機会がありました。
ある中小企業の社長さんに「会社を長続きさせるコツは何ですか?」という質問をした時、こんな
答えが返ってきました。

「まずは、地域や取引先に『無くなると困る』と思われる会社になること」。
「そして、その次に『この会社があることが地域や業界の誇り』と思ってもらえる会社になること」
「そういう会社になれば、絶対潰れることはないよ」

自分で店を始める前、近所に短期間でころころ店が入れ替わる物件がありました。昨日までラーメン店
だったのが、気がついたら焼肉店に替わっているといった次第で、3カ月も続けば長持ちしたなと思う
ほどでした。そうなるとお客も疑心暗鬼になるというか「通って常連になろう」という気になれません。無くなっても他に代わりがいくらでもある存在では長続きしない。今になって社長のその言葉を
ちょくちょく思い出すようになりました。

開店当初、地元のお客様に「何でこんな場所に店を出したの?」とよく聞かれました。今は「この街に
来てもらってありがとう」と言われたり、「近所に話題になる店があって嬉しい」と雑誌に紹介された
ことを一緒に喜んでくださるお客様もいらっしゃいます。

まだ1歳にも満たないヒヨッコの我々には面映いばかりですが、少しは地域の方々にも認めてもらえる
店になりつつあるのかなと、日々の励みにしています。「この店があることがウチの街の誇り」。
いつかそう思ってもらえるようになれるよう、壮大な目標に向かって一歩一歩進んでいきたいと
思います。

今年から始めた「奈良萬飲み比べ」「にごり新酒」「“美人”新酒(「南部美人」や「東洋美人」
等)」といった利き酒セットも好評です。春からは銘柄に「梅」や「桜」が付いた「梅セット」
「桜セット」ななども始める予定ですので是非お試しください。 色々様々に試行錯誤しながら
日本酒業界にとっても 「無くてはならない」と思われる店を目指したいと思っています。

この1年、本当にありがとうございました

27 12月 2010

いよいよ2010年もあと数日で終わりを告げますが、酒庵酔香は昨日26日をもって今年の営業を全て
終えました。誠に勝手ながら12月27日から1月4日まで少し長めのお休みをいただきます。

思えば1年前の私はサラリーマンでした。1年後の今日、全く異なる環境で年末年始を迎えることに
なりました。想像の範囲内だったことも想定外だったことも含め、本当に色々なことがありました。
開店からしばらくは手と足と頭がバラバラで何をやっているのか分からない状態。オーダー忘れや
取り違えはもちろん、燗をつけっぱなしのまま忘れて“超飛び切り燗”にしてしまったり…。

料理メニューも女将と2人で相談しながら決めるのですが、ちゃんと料理の修業をしていない
悲しさで思ったような味が作り出せず、たった1日で消えていった幻のメニューもあります。
“試食”を強制してしまったお客様に改めてお詫び申し上げます。今もまだ失敗ばかり重ねて
ますが、心の広いお客様に支えられながら曲がりなりにも年越しの節目を迎えられる幸せを
かみしめております。

昨年までの自分たちと違うことがもう1つ。会社に「出勤」することがなくなり、電車などに
乗る機会もめっきり減りました。たまの休日に電車に乗って出掛けると、連れ合いが乗り物
酔いをする始末(笑)。隅田川を越えて地元に帰ってくるとほっとする自分に苦笑しています。
スーツを着る機会もなくなり、ネクタイの締め方も忘れかけています。そうしたちょっとした
変化に月日の流れを実感させられます。

ちなみに、1月1日の夜9時からテレビ東京で「アド街ック天国」の正月特番の放映があります。
当店も紹介される予定ですので、お屠蘇でも飲みながらでもご覧ください。なお、来年の
営業開始日の1月5日(水)からは静岡の銘酒「富士山」の一斗樽を開けて振る舞い酒を
サービスいたします。なくなり 次第終了しますので是非お試しください。お待ちしています。

『東京人』の表紙に載りました

7 12月 2010
12月3日発売の雑誌『東京人』の表紙に当店の夜の外観を載せていただきました。以前勤めていた
雑誌社では、表紙を決めるのに5〜6パターンの候補を用意し、編集長やデスク、担当記者などが
集まって数時間かけて議論していました。それだけに雑誌の顔となる表紙には特別な思い入れが
あり、今回の“幸運”を素直に喜んでいます。

その効果もあってか、昨日は予約が1件も入っていなかったにもかかわらず、開店前からお客様が
外で待っているという椿事が発生。あれよあれよという間に席が埋まってしまいました。
「福顔の女将に会いにきたのよ(『東京人』の本文参照)」 という連れ合いの戯れ言はともかく、
新しいお客様に東京スカイツリーや押上の魅力を知っていただく良い機会だと捉え、わざわざ
足を運んでいただいた方々を失望させないよう頑張りたいと思います。

とはいえ、マスメディアの怖さもよく知っているつもりです。一見客があらかた帰られた後、
会社帰りの 地元の若いお客様がぽつぽつと入られ、閉店まで日本酒の魅力や地域の活性化策
などの四方山話で盛り上がりました。 長い目で見た時に、こうした地元客こそ店を支えて
くれるんだということを肝に銘じたいと思っています。

当店は忘年会などの宴会ができる店ではありませんので、12月も一部の週末を除いて席は
まだまだ空いております。好評の「新酒利き酒セット」も2種類に増えましたので、是非
お試しあれ。なお、狭い店につき、当日でも構いませんので1本お電話をいただけたら
助かります。

おかげさまで開店から半年が経ちました

23 11月 2010

昨日、開店から半年の節目を迎えました。いつもの日曜日よりたくさんのお客様に
ご来店いただき、片付けが済んでから女将と2人、数日遅れのボジョレーヌーボーを
飲みながらささやかなお祝いをしました。

飲食店の経営は初めての経験ゆえ、この半年は様々な気苦労や体力的な行き詰まりも
感じましたが、振り返ればあっという間の日々でした。開店前にああしようこうしようと
思っていたことの半分もできなかったという反省はありますが、とりあえず我慢強い
お客様に恵まれたのは幸せの限りです。

これまで延べ1000人以上のお客様にご来店いただきましたが、それぞれに思い出があり、
様々な経験をさせていただきました。特に日頃日本酒を飲まない若いお客さんが当店で
日本酒の美味しさに目覚め、その後頻繁に通っていただけるようになったのは
“日本酒バー冥利”に尽きます。一方で日本酒は「悪酔いする」「糖尿病になる」など
言われのない悪評を振り払うのにも四苦八苦しました。

そんな中で、とても印象に残っている1人のお客様がいらっしゃいます。60代の男性の方で、
店に入られるなりある銘柄を指定されました。たまたまバックヤードにあることを思い出して
お出ししたら。静かに口に含んで時間をかけて味わわれた後、こうおっしゃいました。

「この酒は30年ぶりに口にしました。2年前に亡くなった家内と新婚旅行で訪ねた土地で
飲んだ酒です。その後、2人で飲み屋に行く度にその銘柄を探しましたがついに出合うことは
ありませんでした。思いがけず今日ここで出合えて嬉しいやら懐かしいやら。亡くなった
家内にも飲ませてあげたいです」

酒はただ単に舌で味わう嗜好品ではなく、飲んだ場所や時間、同席した相手の思い出まで
擦り込まれるような、いわば脳で味わう飲み物だということを実感しました。そうした
人生の襞にまで入り込めるような店になれれば最高だと思っています。これからも一期一会の
出会いを大切にしていきますので、引き続きのご贔屓をよろしくお願いします。

そんな新人店に力強い援軍が登場です。12月3日発売の『東京人』の表紙に当店の外観写真を
使っていただけるということです。本文では太田和彦さんの洒脱な文章で紹介されるみたい
ですので、本屋さんで見かけたら見てやってください。そのうえで宜しければこれからの
半年、1年を店で実際に見届けていただけたら幸いです。

テレビや雑誌の取材が増えてきました

3 11月 2010

最近、テレビや雑誌の取材が俄に増えてきました。テレビは「アド街ック天国」の元日特番で
逆さツリーの名所としてすっかり有名になった「十間橋」が取り上げられることになり、
これからの注目スポットの一環として当店も取材されました。ちゃんと映っていれば、女将の
とびっきりの笑顔が見られると思います。ご期待?ください。

一昨日は時々自分でも購読している「東京人」の取材がありました。取材に訪れたのは居酒屋を
こよなく愛する太田和彦さん。彼が書く文章は単なる店紹介にとどまらず、店に集う人々の
人間ドラマや周囲の地域文化までをも活写することで定評があり、著書をバイブルとして携えて
居酒屋を“巡礼”する人々も数多くいます。そんな太田さんに来店いただいたので 終始感激の
取材でしたが、私が紹介した「長屋ガール」の話に関心を持っていただいたようでした。

「長屋ガール」とは下町の長屋に住み、時々1人で当店に酒を飲みに来てくださる若い女性を
表現した呼び名。隣近所の生活音が筒抜けのプライバシーがない住環境を積極的に受け入れる
強者の女性たちです。店に来た彼女らは日本酒3〜4杯をくいっと飲み干し、酔った素振りも
見せず帰って行きます。その姿はとてもかっこ良く女将と2人で惚れ惚れ見送ってしまいます。
そんな話を面白がる太田さんが当店をどう紹介して下さるのか、とても楽しみです。

このほかに「大人の週末」「料理通信」「料理王国」「るるぶ」「まっぷる」などのほか、
昭文社のガイドブックなどの取材が目白押しで、内容も単なる店紹介にとどまらず、新規開業の
苦労話とか脱サラ人生の軌跡など様々。かつては取材する立場にいただけに、取材申し込みが
あると断ることができず、どんどん増えてしまっています。

開店から半年も経たない若葉マーク店がこれほど注目されるのは面映い気持ちですが、一方では
そんな店をわざわざ紹介していただけるのは素直にありがたく思います。 とはいえ、まだまだ
紹介に値するレベルに達してるとは思っていませんので、努力目標としてそのギャップを埋める
べく頑張ります。皆様におかれましても、もし記事がお目にとまったら笑って読み飛ばして
いただきつつ、ちょっとでも当店を思い出していただいたら是非お立ち寄りくださいね。

愛媛県の若手蔵元の会を開催しました

26 10月 2010

開店から5カ月近く経って少し落ち着いてきたのを機に、初めて蔵元さんを招いた酒の会を
開催しました。記念すべき第1回の「酔香会」は10月16日の土曜日。お招きした蔵元さんは、
愛媛県で「賀儀屋」を造る成龍酒造と「寿喜心」を造る首藤酒造のお2人。いずれも苗字は
首藤(すとう)さんとお呼びします。愛媛の酒処である伊予西条に多い苗字だそうです。

以前のブログにも書いたようにずっと愛媛県の日本酒には注目しており、店でもお客様に
積極的にお勧めしてきました。 今回、その愛媛県の中でも大注目の若手蔵元さん
(しかもイケメン)を2人もお呼びできたのは幸運の極みです。 店が狭いこともあって、
ブログで告知する間もなくあっという間に予定人数が埋まってしまいました。お誘い
できなかった方々にはお詫び申し上げます。

用意していただいたお酒は2蔵合わせて13種類。生酒あり、熟成酒あり、濁り酒ありと、
バラエティーに富んだラインナップになりました。いずれも期待に違わず米の旨みや
甘み がしっかりと感じられ、ふっくらとした滋味に溢れたお酒ばかりでした。改めて
愛媛酒に惚れ直した思いです。参加者の方々も同じ思いだったらしく、盃が進むにつれ、
賑やかな笑い声が店内に溢れていきました。

今回は蔵元さんにも客席についてもらい、食事を召し上がりながら参加者とじっくり
話をしてもらう形にしたこともあり、各蔵の特徴や造りの苦労なども理解してもらう
ことができました。中締め後も蔵元との交流会が延々と続き、お開きは結局深夜に。
途中から合流した自分が寝不足もあって飲みつぶれてしまい、お恥ずかしい姿を
お見せしたことはご愛嬌として勘弁していただければ幸いです。

これからも愛媛県の日本酒の勝手応援団を務めていきたいと思っていますので、
ご来店の際には是非一杯飲んでみてください。今後は第2回以降の酔香会をはじめ、
蔵元見学会 などもやってみたいと思っていますので、機会があればご参加くださいね。

燗酒と「ひやおろし」が人気です

28 9月 2010

猛暑の夏もやっと終わりを告げ、一気に秋の気配が深まってきました。それに伴って増えてきたのが
お燗の注文です。当店では注文を受ける度に1回1回錫のちろりで燗をつけています。実はこのお燗の
温度をどのくらいにするかは 、とても難しい技術と経験を要するものなのです。

よく「燗上がりするお酒」という表現をしますが、温度を上げることで味がまろやかになるだけで
なく、ナッツやミルクのような独特の香りや味が引き出されることがあります。燗をつけるのは、
そうした隠れた美点を引き出す作業なのです。ぬる燗で絶妙なバランスを保っていたのが、
ちょっと温度を上げ過ぎると途端にとんがった苦味や酸味が出てきたりすることはよくありますし、
逆に60度前後の飛び切り燗にしてやっと旨味が 引き出される頑固なお酒もあります。

こうしたお酒ごとの個性に合わせてお湯から引き上げるタイミングを計るのは至難の業です。
ちろりに温度計を差し込んで数字を確認するだけでは不十分で、時々手の平で“触診”したり、
立ち上る匂いを嗅いだりします。特に味の固いお酒は、徳利に移す際に高いところから落として
空気を含ませたりといった工夫もします。それでも完璧な温度で提供できたなと思うのは、
1日に数回ある程度です。これからお燗の注文を受ける度に自分の修業と思って努力しますので、
燗酒と同じく温かな目で見守ってやってください。

燗酒と並んでよく注文を受けるのは、この時期に続々出荷される「ひやおろし」です。
冬に仕込んだ新酒を加熱殺菌(火入れ)したうえで貯蔵し、一夏越えてまろやかな熟成味を帯びた
タイミングで出荷される秋の旨酒 のこと。当店では蔵ごとの味わいの違いを楽しんでもらうため、
2種類の利き酒セットにして提供しています。ひやおろしはお燗にも向いていますので、
気に入ったお酒は個別に温めて味わっていただくこともできます。秋の食材を使ったおつまみ
メニューも徐々に増やしていますので、季節の味わいを存分に楽しんでください。

十間橋でジャズフェスティバルが開かれます

15 9月 2010

十間橋通り商店街の人気店、天真庵やスパイスカフェなどを会場にしてジャズフェスティバルが
開かれます。昔ながらの面影を残す十間橋エリアで、古き良き時代の音楽とダンスが蘇ります。
概要は以下の通りです。当店でもチケットを販売しておりますので、ご興味がある方はお気軽に
お声がけください。

4会場で計16以上のプログラム!
多彩な演奏が一度に楽しめるジャズフェスティバル

 
1920〜40年代の”ヴィンテージ”なジャズ
ディキシーランドやスウィングなど、ヴィンテージジャズ
オンリーのジャズフェスティバル
 
ダンスフロア有り!
リンディホップのパフォーマンスや参加型レッスン、
ジャズやダンスにまつわる当時の貴重な映像上映などを企画しています。

**********************
日時   2010年10月31日(日) 
     12:00開場 13:00開演〜17:00
チケット 3,000円(1ドリンクまたは1フード付) 
会場   十間橋商店街周辺4会場
     スパイスカフェ・天真庵
     すみだ中小企業センター(ホール・会議室)

 
チケットは各会場共通フリーパスとなります。
ジャズ十間橋 お問合せ先
電話/FAX 03-3631-7156
http://jazz10kenbashi.com

日本が誇るジャズミュージシャンの演奏で踊れるチャンスです。
どうぞお見逃しなく!!

*出演ミュージシャン*
スペシャルゲスト チャーリー田川(バンジョー)

下間哲(トランペット)/清水万紀夫(クラリネット)/後藤雅広(クラリネット)
/渡邊恭一(サックス&クラリネット)/大橋高志(ピアノ)/深澤芳美(ピアノ)
/古川奈都子(ピアノ&ヴォーカル)/阿部寛(ギター)/青木研(バンジョー)
/小林真人(ベース)/田野重松(ベース)/井桁賢一(チューバ)/日高弘(ドラム)
/熊田千穂(ヴォーカル)

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