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5年間毎月一緒に飲み続けた蔵元がいます

日本酒の世界は本当に狭いと思います。と言っても悪い意味ではなく、知り合いと別の
知り合いが飲み友達だったり、共通の飲み仲間がいたり、よく行く店がたまたま同じ
だったり、親しい蔵元が一緒だったり…。店をやっていると毎日がちょっとした驚きの
連続です。

地方の蔵元で東京出没率の最も高いと思われる一人が、福島県喜多方市にある夢心酒造の
東海林伸夫社長でしょう。 現在の迫力ある体躯からはなかなか想像できませんが、
高校時代はジャニーズ系の風貌でサッカーに熱中し、上京して入った大学はおしゃれな
学生が多いことで知られる青山学院大学。これまたおしゃれなスポーツで知られる
ラクロスをたしなんでいたんだとか。

実家の酒蔵に戻ってからも都内にマンションの一室を活動拠点として確保し、
冬場の酒造りの時期も頻繁に上京して営業活動?に余念がありません。そんな
東海林社長とある利き酒会で知り合ってから、ちょくちょく一緒に飲みに行く
ようになり、気がついたら60カ月連続で毎月飲み会に同席するという金字塔?を
打ち立てました。もっとも 最後のほうは、2人とも記録を続けるために意地に
なって予定を合わせていましたが(笑)。

この5年の間に日本酒を大事に扱う店をたくさん教えてもらい、日本酒を熱く愛する
人々との交流が始まったのが店を始めるきっかけになりましたし、今でも自分の
大事な財産になっています。もちろん「夢心」「奈良萬」という酒の大ファンに
なりました。米も酵母も水も全て福島県産にこだわったその酒は、決して派手さは
ないものの飲み疲れせず、食事の邪魔をしないほっと落ち着く味わいで、当店でも
じわじわファンが増えてきています。

先日、念願だった「奈良萬を楽しむ会」を開催しましたが、1人当たり5合近く
用意した酒が全て飲み尽くされたのが、その旨さを雄弁に物語っていました。
実はいつも奈良萬を配達してくれる両国の酒販店「西彦商店」の若旦那も、
東海林さんとは別の大学でラクロスをやっていたライバル同士だったとか。
日本酒の世界は本当に狭いですね。

「夢心」の樽酒を開店記念に振る舞ったのが去年の5月。間もなく開店1周年を
迎えます。お客さんから「記念行事は何かやるの?」と聞かれることも多く
なってきました。今考えているのは5月21日、22日の土日に「角打ち酔香」を
オープンさせる案です。

椅子を取っ払い、出入り自由でお任せの酒肴と厳選した日本酒を 楽しんで
もらったらどうかと。開店前から店主が秘蔵していた 各蔵の最高峰の日本酒を
原価程度で飲んでもらい、売り上げを震災被害を受けた 酒蔵に寄付する
アイデアも温めています。詳細は近々店とホームページで告知しますので、
お時間がありましたら是非遊びに来てくださいね。

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2 Comments to “5年間毎月一緒に飲み続けた蔵元がいます”

  1. 奈良萬太郎

    先日の吟醸酒協会のイベントでこのブログを見た方がブースに来られました。

    すごく感心してました。

  2. 萬太郎さま

    感心ですか…。ただ一緒に飲んでいただけなのにね(笑)。
    ただ何も考えずに飲んでいた日々が懐かしく思い出されます。

    suga

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